中の湯コース
焼 岳 登 山
(やけだけ) 2.455m

2004.9.12自宅発22:15→中央高速道→R158→安房峠→0:00中の湯登山口 (車中泊)
2004.9.13中の湯登山口6:00→7:50分岐8:00→9:50焼岳11:00→分岐12:20→14:00中の湯登山口→中の湯温泉旅館→R158→中央高速道→自宅着18:00

中の湯 中の湯登山口旧道分岐焼岳小屋
地図はイメージです





噴出蒸気と焼岳北峰



2004年9月12日
松本インターを降り、国道158号線を走るのも今回が三回目だ。馴染みとなったコンビニで食料など調達し、行き交う車も少なくなった谷間の集落を抜け安房峠に向かった。前川渡の交差点からいくつかのトンネルを潜り、沢渡地籍を過ぎると闇はますます深くなってきた。オレンジ色の灯り点く、釜トンネルが見えてきた時にはホッとした。

狭くて急カーブが連続の安房峠道だが、登山口となる10号カーブ先の駐車スペースはすぐにわかった。車が一台止まっていたが人の気配がなかった。ペンライトの小さな灯りの中、持参の裂きイカを肴に眠り薬のビールを飲んだ。仮眠をとる為シートを倒し寝袋にもぐると、すぐに女房の寝息が聞こえてきた。小さな灯りのスイッチを切ると、辺りは真っ暗闇となった。
2004年9月13日
携帯のベル音で気がつくまで、ぐっすり眠ることができた。いつの間に着いたのか隣にも車が停まっていた。気配を察したのか単独男性が起きだしてきた。挨拶を交わしたが、手馴れた感じで身支度を整えると、まだ薄暗い登山道に入っていった。
朝食は北岳登山のとき、美味しくて味を占めた納豆におにぎり、そして温かなコーヒーで体が目覚めてきた。周りも徐々に明るくなってきたとき、女性二人連れの車も到着した。




ブナの木を見ながら

ジグザグに登る



しばらく右手下に道路を見ながらの緩やかな歩きは体もほぐれてちょうど良い。やがてジグザグの登りとなるが、ブナの大木と赤い実をつけたオオカメノキを見ながら高度を上げていく。ひと汗をかいた頃、コメツガやシラビソの倒木が目立ってきた。少しぬかるんで平らな道と、ちょっと登りの繰り返しがしばらく続くようになった。
途中、二ヶ所ほど丸太を組んだ休憩ベンチなども整備されていて休憩しながら登れる。密集状態の暗っぽい樹林帯歩きの中、登山道脇にはゴゼンタチバナやミヤマシグレの赤い実が目を楽しませてくれた。




タケシマラン

出合い先から展望が


気持ち良い笹原

リンドウ



頭上が開け明るくなってきた。そして緩やかな傾斜の道がしばらく続くと、葉の黄色くなり始めたカンバとナナカマドの先に焼岳への長い登りが見えてきた。足元には薄日に照らされたアキノキリンソウとリンドウが咲いていた。
出発から凡そ二時間、中の湯ト伝の湯からの道と合流した。そこからホンのひと歩きで深く削られた下堀沢に突き当たった。天候がよければ上高地方面を見ることができるのだろうが、ガスが低く垂れ込めて望むことができなかった。





鞍部に小さく登山者の姿が


シラタマノキ

草の背も低くなり



小休止のあと下堀沢の右岸に沿うように登る道は、気持ちよい笹の原が左手稜線まで続いている。途中追い越していった波田町からの男性二人連れが遥か遠く小さく見えた。私たちの姿を見つけたのかオーイと呼ぶ声が聞こえてきた。いっぱいに手を広げ大きく振ってそれに答えた。

北峰、南峰のコルを目指して進む道は、岩がゴロゴロしていてジグザグに登っていく。ガスが流れて北峰から噴き出す水蒸気もはっきり見えてきた。時々風に乗って硫黄臭も漂ってくる。遠くに見えていた鞍部が目の前となってきた。





北峰に登山者の姿も


火口湖を望む

岩場をトラバース



河口渕に立つと、左手×印で入山禁止の南峰がガスで見え隠れしていた。その姿は天を刺すように鋭くみえた。そして足元の先にはコバルトブルーの火口湖が小さく波立っていた。北峰へは狭い岩場を頭上と足元に注意しながら慎重に進む。回り込んだところが上高地側からとの合流点だ。ここから頂上へは100mもないが、コース間近で火山性ガスが噴出していてちょっと怖い。印を頼りに四肢を使っての急な登りを越えると山頂まではあと僅かだった。




上高地ルートと合流

噴出する蒸気の脇を


上から見た噴出口

山頂ではゆっくりと



期待していた山頂からの展望は、生憎のガスに覆われ、間近である南峰も一瞬ガスが切れた僅かの時間だけ見ることができた。晴れていれば360°のパノラマも残念ながら厚く垂れ込めた雲もあって、しばらく粘っては見たが取れることはなかった。

次々と登山者が見えるようになり下山することにした。展望がよければ上高地への下山も考えていたが、往路をそのまま戻ることにした。まだ訪れたことのない上高地は、またいつの日にか来たいと思った。




慎重に下る

ガスも濃くなり





草紅葉の下り



鞍部から離れるにしたがってガスの層から遠ざかる。時々薄日も漏れて斜面の草がキラキラ輝き綺麗だ。遥か下の笹の葉も白く光り揺れていた。下りはよりゆっくりの歩きとなった。前後する登山者と山の話をしながらの歩きは楽しい。中の湯登山口には予定より早く戻ることができた。
下山後の温泉は、7号カーブ脇にある中の湯温泉旅館だ。新しく大きな建物に入ると快い応対で迎えてくれた。かけ流しの内湯は適温湯と高温湯があり、一段下がったところの露天風呂は湯の花も浮いて風情があった。



2004年9月13日 撮影

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