中央アルプス・長野県
空 木 岳 登 山
(うつぎだけ)2.864m
(1日目)
自宅発5:05→伊那西部広域農道→林道古城線→5:45空木・池山登山口駐車場6:05→7:17池山水場7:28→マセナギ9:10→大地獄・小地獄・迷尾根9:55→ヨナ沢の頭→11:45空木平避難小屋方面との分岐12:00→駒石12:45→13:30駒峰ヒュッテ(泊)

池山水場 空木平避難小屋分岐 駒峰ヒュッテ 木曽殿山荘





空木岳(駒峰ヒュッテから)



2006年9月4日
空木岳は伊那谷の広い範囲から見ることができる形の良い山です。私は四季を通じ写真の被写体として、この山を絡めた構図が好きだからよくカメラを持ち出すことが多かった。でも麓から続く長大な尾根の先にある頂きに立つことなど、ちょっと臆病な自分としては想像できないでいました。




林道終点登山口

歩きやすい登山道

池山の水場



マイカーを使っての登山者が良く利用する林道古城線は、つい先日ネットフレンドのシジュウカラさんご夫妻をお送りしたばかりです。駒ヶ根高原菅の台から凡そ20分、途中からダートとなるが終点の駐車場はトイレや東屋も整備されて20台ほど停める事のできる広さです。

池山周辺までハイキングコースとして歩かれている登山道は広く緩やで歩きやすい。早朝の美味しい空気と静粛な中を歩きたいところですが、このところ頻繁に聞く熊目撃情報に、無粋だが熊除け鈴をぶら下げないわけにはいかない。澄んだ小鳥の声に混じり歩くリズムと合った鈴の音が響きました。




随所にハシゴやロープ

ソバナ

ダイモンジソウ



池山の豊富な水場で小休止のあと、いよいよ空木岳へのコースに取り付いた。周りの樹種も今までと違ってブナを主体とした針葉樹が多くなってきた。凡そ30分、ハイキングコースの上限となる「尻無」を過ぎると尾根歩きとなり、所々に現れるハシゴを登るごとに高度も上っていった。




ヤマトリカブト

大地獄では頻繁に木橋が

ゴゼンタチバナ



マセナギを過ぎ両側が急峻に切れ落ちたヤセ尾根や大地獄から小地獄、そして迷い尾根と続く道は、滑落死者もあった難所といわれる所です。以前はどのように通ったかと思われる足のすくむようなところが随所にあらわれた。でも木橋やハシゴで整備された今は、細心の注意で歩けるようになっていました。




シラタマノキ

オヤマリンドウ


タケシマラン

避難小屋との分岐



緊張していたのか目安にしてきた「ヨナ沢の頭」を知らぬ間に通り過ぎ、空木平避難小屋への分岐標識が現れたときには驚いた。予定タイムより2時間も早く歩いてきたことになる。駒峰ヒュッテまであと一時間と少し、先が読めるようになったことでほっとした。





空木岳と駒石 遠望



避難小屋分岐からひと登り、木々の背丈も低くなり森林限界となった。まだ遥か先だが目立つ駒石と空木岳がガスの切れ間から見え隠れしている。あまりきつく感じないまま登ってきたが、最後の詰めとなって気持ちが早まる分だけなかなか進まなかった。




駒 石

駒峰ヒュッテはあと少し


小休止のあと山頂へ

駒峰ヒュッテのテラス



駒峰ヒュッテでは二人の小屋番さんが一息つける時間帯かくつろいでいた。夕食まで時間はたっぷり、ザックを降ろしテラスでマッタリさせてもらうことにした。次々と湧いてくるガスで展望はないものの爽やかな風が通りすぎて心地良い。やがて小屋番さん二人は、電動ノコを使い小屋周りの整備に忙しく働きはじめた。





ガスが一瞬切れ南駒ケ岳



新しく建て直された駒峰ヒュッテはNPO法人となり地元の方も含め交代で小屋番が変わっているらしい。この日は年配の男性二人だった。まだ日も高い午後2時前、単独の登山者二人が次々と小屋を訪ずれた。予約なしで来た登山者らしい。小屋はガラ空きなのにルールを説明し宿泊を断っている。

気の毒に思ったが一人は木曽殿山荘を目指し登り返していった。もう一人は日没になってしまうのではと心配したが下山して行った。徹底した応対振りに戸惑ったが、あまりにも行き当たりばったりで無計画に登る登山者が多くなり、迷いや遭難の事例を数多く見てきた故に厳しく教えているとの話しだった。





檜尾岳を手前に、三の沢岳から木曽前岳・木曽駒ヶ岳から宝剣岳



前日、檜尾岳避難小屋に泊まったという大学生グループ5人が元気に顔をだした。それぞれ飲み物を調達したあと、大きなザックを背に空木平避難小屋に向けて降りて行った。どうやら今夜の小屋宿泊は私達二人だけとのことである。夕食前、展望を期待しないまま山頂を踏んでくることにした。




評判のシチュウも

テラスで至福のひと時

ご相伴のワイン



夕食は私たちだけで申し訳ないくらいだった。小屋番さんの一人、三日遅れの誕生祝いだからとワインやウイスキーのご相伴となった。次々と変わる夕暮れ風景に、なんども写真撮影でテラスに飛び出し失礼な食事をしてしまった。やがて外は真っ暗となり小屋番さんからは山を愛し、登山道の整備や遭難救助など苦労した話しを聞かせていただいた。






日没後の残照・雲に浮かぶ御嶽山



夜も進み19時を回ったころ8人の大学生パーティーが入ってきた。朝6時に木曽駒ヶ岳出発、夕方4時の時点で木曽殿山荘、13時間も掛かってしまったと話している。空木平避難小屋を目指してきだが疲労もピークとなり泊めてほしいと頼んでいる・・。

小屋番さん、木曽殿山荘になぜ泊まらなかったか。雷がなかったからよいものの、こんな時間まで行動してきたことの無謀さをリーダーに話している。厳しい説教が延々と続いたが、この時間に追い出すことは遭難しろに等しいからと外で不安顔の学生たちを招き入れた。



2006年9月4日 5日



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送