中央アルプス
三の沢岳登山
(さんのさわ)標高2.846m

自宅発5:15→5:40駒ヶ根駅6:00→しらび平→7:25千畳敷7:40→8:20極楽平8:25→三の沢岳分岐8:40→遭難慰霊碑10:15→10:45三の沢岳・昼食・山頂発11.30→13:45三の沢岳分岐14:00→極楽平→14:45千畳敷15:25→しらび平→駒ヶ根駅16:30→こまくさの湯→自宅着18:15

ロープウエイ しらび駅 千畳敷 極楽平 三の沢岳への分岐
地図はイメージです



2003年9月15日
台風一過、秋晴れが予想された休日、三の沢岳に行って来ました。三の沢岳は中央アルプスの主稜線を外れた場所にあるため訪れる人も少なく静かな山といわれています。また木曽駒ケ岳に登った時、その美しい姿が目に焼きつき気になっていた山でもあります。

身支度を整え外にでると東の空は正に夜明け前、雲一つない南アルプスの稜線は赤く焼け朝日が顔をだすところであった。国道153号線を凡そ20分、駒ケ岳線バス始発駅の駒ヶ根駅に向かった。途中、右手に見える中央アルプスの山並みは、昇り始めたばかりの陽光をいっぱいに受け輝いていた。

3連休の最終日、バス乗り場は小さなお子さんを連れた家族など次々と集まってきた。駒ヶ根高原の菅の台バスターミナルでは臨時便に乗り切れなかったお客さまも乗り込み満席となった。駒ケ岳線のバス車内は山国信州、伊那谷、駒ヶ岳の由来など紹介テープが流れ凡そ45分ほどの渓谷沿いを退屈させず上がっていく。北御所登山口先では、まだ幼い感じのカモシカが道路を横切り悠々と若芽を食んでいた。




駅前バス乗り場

一気に高山へ



駒ケ岳ロープウェイは7分30秒で標高2600m余りの千畳敷まで一気に運んでくれる。私は昨年の秋、女房は4年ぶり、山歩きの魅力にのめり込むきっかけとなった木曽駒ケ岳登山以来となった。
千畳敷では登山者カードの受付と指導が行われていた。事前にパソコンで打ち出してあった計画書を提出すると細かくチェックし水はしっかり持っていくようにとアドバイスがあった。
今年の7月行方不明者も出ているが、カールから稜線にでることを簡単に考え、装備や服装も山登りに相応しくないまま登ってしまう人が多いからのようだった。




整備された登山道

ウメバチソウ


イワツメクサ

あと少しで極楽平



駒ケ岳神社の前から始まる極楽平への道は4年ほど前から整備されたと聞いていたが歩きやすくできていた。道の両側には夏の花の名残があり、色づき始めたナナカマドの中をジグザグにつけられていた。上空の青空はどこまでも澄み切っていたが、いつの間にやら湧き上がってきたガスはカールを隠し、八丁坂や宝剣岳にむかって伸びてきていた。

稜線にでたところが極楽平だった。ひと登りした後で何人もの人が休憩していた。左手少し低い位置には目的の山、三の沢岳が陽を浴びて端整な形で鎮座していた。その道程は想像していた以上にアップダウンが多く頂までは遠いなと思った。少し目を右に向けると透き通った遥か先に御嶽山を望むことができた。





最初はなだらかに



小休止の後、緩やかなルートを登っていくと今まで見たことのない角度からの岩山、宝剣岳が飛び込んできた。近づくとカール側はガスで隠れていたが、木曽側はどこまでも急峻で深く切れ落ちていた。その岩ばかりの細い道の先を目で追うと山頂に向かう登山者の姿が小さくみえた。

分岐を折れハイマツの中を下っていくが、この晴天と祭日休みの影響か三の沢岳を目指す登山者も多かった。少し霞み始めてはきたが微かに色づき始めたナナカマドの葉先には木曽の集落を望むことができた。




ナナカマドと三岳村方面

アップダウンの繰り返し



緩やかだった登山道が大きな岩もあり小さく上り下りするルートとなった。岩につかまりよじ登る場所もあったが背負っているリュックが重く感じた。道端の小さな高山植物も花から実に変わっているものが多く、リュックを背負ったまま腰をかがめての接写撮影は歩く以上に疲れた。先を見るとまだまだアップダウンが続いていたがルート脇にはいくつものリュックがデポされ主の帰りを待っていた。

いささか飽きてきた上り下りを過ぎると登山道脇には自然石を使っての遭難者慰霊碑が建っていた。埋め込まれていた銅板プレートには宝剣岳と海外の山で亡くなられた青年たち3人の名が刻まれていた。いずれも20歳代前半の年齢だった。合掌の後、もう少しとなった山頂に向けて歩き出した。




遭難者慰霊碑

コケモモ


アオノツガザクラ

オヤマリンドウ



山頂まであと僅かなところにあるお花畑に着いた。鳥のくちばしにも見える鮮やかな色のヨツバシオガマ、まとまって咲くイブキゼリ、ちょっと盛りの過ぎたウサギギクなども咲いていた。なかでも当たり一面にあるチングルマはそよ風に揺れ、日の光に透けて輝く様子は真に綺麗であった。

三角点のある山頂に着いた。山頂では先着者が宴会?をしていたが記念撮影に場所をあけてくれた。山頂を示す場所より高いと思われる岩山のうえには勇敢にもすくっと立つ熟女(おばちゃま)の姿もあった。
バスのなか日帰りで檜尾岳から檜尾尾根を下る予定といっていた同年齢ご夫婦の姿を見かけた。声を掛けると登山口の指導でとても無理といわれ切り替えてきたとのことだった。そのお二人、甲斐駒ケ岳にも登ったことがあるそうだが、このルートそれよりきつく感じたといっていた。




チングルマ

山頂にて



昼食は畳2畳はあるかと思われる平らな石の上だった。違った角度から見る木曽駒ケ岳は優しい顔の山に見えた。
復路も同じ道を戻る。登山口と最低鞍部、山頂との高低差は200m程であるが途中にある6つほどの登り降りは精神的にも結構きつい。別に競争ではないが他の登山者の健脚ぶりは凄い。わがチームが軟弱なのか最下位になってしまった。それでも山岳地図に記されていた標準タイムの35%増しで歩けたことは、写真を撮りながらのマイペース歩きとしてはほぼ予定通りであった。

千畳敷からのロープウェイ待ちも30分ほどで乗ることができた。麓の「コマクサの湯」は祭日いうこともあり芋を洗うように混んでいた。今回の山行き、燕岳への合戦尾根登りで味わった?筋肉痛が再びでた山行きとなってしまった。このページの表題、ふるさと散策を改め、軟弱夫の山歩きと変えなければかと真剣に悩む親父であった。ちなみに今回の歩数は18,700歩余りであった。

登山記中に記述した7月の行方不明者はきちっとした装備をしての入山であったそうです。
誤解がありませんように。早く消息がわかることを心から願っています。



2003年9月15日 撮影

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