南アルプス
早川尾根 栗沢山登山
(くりさわやま)標高2.714m

自宅発5:20→6:00仙流荘前6:20==北沢峠7:15→登山口7:30→10:15栗沢山10:30→アサヨ峰まで中間点11:10・昼食・発11.50→栗沢山12:30→仙水峠13:40→15:00北沢峠15:55==仙流荘前16:40→高遠さくらの湯→自宅着18:30

北沢峠 北沢長衛小屋 登山口 昼食 仙水峠 仙水小屋
地図はイメージです



摩利支天の先には八ヶ岳が

栗沢山頂直下からの甲斐駒ケ岳



2003年10月19日
天気予報で快晴が予想されるなか、どの山に登ろうかと山行き決定が前夜遅くとなってしまった。栗沢山はゆっくり日帰りも可能で好展望と地元の愛好家からは良く聞く名前である。慌しく計画書を作成、パッキングも済んで床に就いた時の時計は2時を回っていた。実質睡眠時間は3時間もなかった。

コンビニで朝食、昼食を調達のあと仙流荘横のバス乗り場に向けて車を走らせた。高遠町を過ぎる頃には東の空も明るくなってきた。北沢峠には昨年、甲斐駒ケ岳に登ったとき以来である。バス乗り場駐車場では日曜日で好天予報、すでに多くの車が止まっていた。専用のマイクロバスは臨時便も増発となり3台の一番便となった。

戸台大橋の赤いゲートをくぐり南アルプス林道はジグザグに山肌を登っていく。標高が上がるにしたがって戸台川の川原は谷底遥か下になっていった。北沢峠線はポイントに来ると運転手がガイドをしてくれる。青空を背景に険しい鋸岳、白く雪のような花崗岩の甲斐駒ケ岳、双児山の先には今日の登る山、栗沢山が頭だけ見えた。道路脇では鹿の親子が迎えてくれた。




北沢に向けて

右手の登山口へ



標高2000m余りの北沢峠の朝は寒かった。満員だった先頭バスの乗客も仙丈ケ岳、双児山経由か甲斐駒ケ岳を目指し登山道に入っていった。北沢に向けて歩き始めたのはほんの数人だけであった。北沢長衛小屋前に架けられた太い丸太橋はうっすらと霜が降りていて慎重に渡った。

渡りきったところの分岐から栗沢山を目指したのは私達だけであった。踏み入れた登山道はシラビソが密集し頭上を覆い薄暗くなっていた。急で展望がきかないままの樹林帯を登ること凡そ1時間、比較的平坦な登山道となった。樹間からは朝日も差込み気持ちよい歩きとなってきた。そして高度が上がるにしたがって北岳、仙丈ケ岳の頂や、遠く中央アルプスの山並みを望めるようになってきた。




緩やかになった登山道

樹間から北岳が




仙丈ケ岳

中央アルプスの山並みが



再び急になった登山道を登りはじめた時、ご夫婦が降りてきた。このルートで初めて行き会う登山者であった。随分早い下山ですねぇと声を掛けたところ、前日甲斐駒ケ岳を登頂後、仙水小屋に宿泊、早朝ふたたび仙水峠から栗沢山経由で下山中とのことであった。栗沢山山頂は360度の展望だったと、ちょっと焦っちゃうような言葉をいただいて別れた。




急峻な岩場が

マークを見ながら



見上げる登山道の先が開け、明るい青空がいっぱいとなってきた。ひと登り頑張ると高い樹もなくなり好展望の尾根筋に出た。思わず、う〜んと唸ってしまった。葉の落ちたダケカンバ越しに雄大な甲斐駒ケ岳が現れた。朝日を浴びて綺麗な姿だ。

仙水峠から駒津峰に登るルートがはっきり見える。さらにアップダウンの鞍部には六方石、そして山頂まで通じるルートを目で追うことができた。右手を眺めると一段高く北岳が、登ってきた後方には小さく馬の背ヒュッテと仙丈ケ岳を見ることができた。ひと時展望を楽しんでいたが目の前は大岩がある。山頂かなと思いながら消えかかったペンキを辿り岩道に取り付いた。




山頂まであと僅か

栗沢山頂



登りきった岩山は山頂手前のピークであった。山頂を示す標柱と方向案内版がはっきり見える頂は更に先で10分ほどの登りで立つことができた。山頂では単独の男性が一人だけいた。ザックを置いてアサヨ峰まで行ってきたとのことであった。

栗沢山山頂は評判通りの展望であった。正に360度を見渡すことができる山である。途中では摩利支天に隠れて見えなかった南部八ヶ岳が見える。アサヨ峰から更に続く早川尾根の先には地蔵岳のオベリスクが、澄み切った大気は遮ぎるものもなく鮮明に望むことができた。昼食には早すぎる時間と山頂を目指してくる登山者の姿が多くなり頂を離れることにした。





アサヨ峰とオベリスクが遠くに



岩がゴロゴロと重なり合った登山道をアサヨ峰に向かって歩き始めた。人のいない静かな道行きとなった。ほぼ中間点かと思われる場所で昼食をとることにした。風も弱く濃い陽射しが暖かく絶景を見ながらの食事となった。ゆっくりの昼食だったが最終バスの時間から計算して仙水峠経由で下山することにした。

栗沢山山頂に戻ると三組ほどのパーティーが展望を楽しんでいた。あれほどすっきり見えていた八ヶ岳の上には厚く雲が掛かり始めていた。仙水峠への下りは急峻な岩道である。慎重にルートを確認しながらの下りとなった。凡そ1時間余りの下りは正面に駒津峰、右手に甲斐駒ケ岳と摩利支天、更に摩利支天沢や赤石沢に落ち込んでいく錦秋を見ながらとなった。




仙水峠へのコース

ゴーロ帯を歩く




黄葉も終盤に

バスターミナルはあと少し



仙水峠では、北沢峠から登ってきたツアーの団体か50人ほどの大部隊が着くところであった。休む場所もなかったのでゴーロ帯をしばらく歩いてから小休止とした。昨年歩いた時のこの場所はヘッドランプの僅かな明かりを頼りに急いで通った道である。広い範囲を見渡せる今回、その石の多さには驚いた。

北沢峠に戻る頃にはこの季節、先ほどまでの暖かさは消えてしまった。最終便のバス停では長い列となっていた。残念ながら臨時便は私たちの前で定員となってしまった。持参の防寒着を身につけ次のバスを待つこととなった。今シーズンのバス運行、路線の整備と長い冬に入る為、11月5日までの営業で終了とのことであった。






2003年10月19日 撮影

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