2010年10月4日
記録的な暑さの影響もあり遅れていた山々の紅葉も、ここにきて各地で見ごろとなってきた。当初は仙丈ヶ岳が秋の山、第一候補だったが、予定の日が低気圧とそれに伴う寒冷前線の通過で大荒れ、一日目を比較的無理なく登れる山へと変更せざるをえなかった。
そこで頭に浮かんだ山は身近な木曽駒ヶ岳。木曽駒ヶ岳はロープウェイで高低差950mを一気に運んでいただける。歩く時間が2時間ほどで山頂。そして計画したルートに沿うところの山小屋が営業していたので、万が一のときのエスケープも容易ということで決定した。
急いで一台の車を下山口(登山口)の桂小場へ置きJR飯田線で駒ヶ根駅へ。接続のバスとロープウェイも順調で千畳敷駅に着くことができた。それが生憎の天候にもかかわらず大勢の観光客がピストン輸送され、千畳敷ホテル内は身動きもままならないほど混雑していた。
身支度を整え外へでるとガスで視界は10mほど。ルートも分かっているが一歩一歩慎重に進む。カール内はそれほどでもなかったが八丁坂も上部になるほど風雨が強くなってきた。そして乗越浄土にでると風は益々強くなった。
宝剣山荘前で体勢を立て直す。女房は宿泊小屋の変更をしたいようだったが先に進む。中岳から本岳へのルートはロープも張ってあるので道迷いの心配はなかった。が、年ごとに縮んで小さくなってきた女房は、強風に何度もぐらつき飛ばされそうになった。
濃いガスの先に頂上木曽小屋の屋根が見えたときは嬉しかった。先着者は愛知県から来たというお父さんと息子さん。手続きを済ませ食堂の一角で手袋と袖口の濡れたシャツを乾かす。反射式の小さなストーブだったが無事着けた安堵もあり身も心も暖かになってきた。
宿泊は、遅々飛び込んできた山ガール三人が加わっても7人だけ。荒れた天気でキャンセルが何人もでてしまったようだ。今回の宿泊は食事なしの素泊まり。持参の「ちらし寿司」と湯を沸かしてのインスタント味噌汁。あり合わせで持ってきた「唐揚げ」と漬物など簡単なもの。食事前の楽しみ、缶ビールと、そのあと飲んだ木曽の酒「なかのりさん」が美味しくて酔ってしまった。
2010年10月5日
夜中、相変わらず音を立てて強い風が吹くも、トイレに起きたとき外は満天の星空となっていた。二日目は予報通り良い天気を期待できそうだった。4時起床。お世話になった小屋にお別れし一番に山頂へ。伊那側の山頂神社の石積みに身を寄せ日の出を待った。
ご来光は一ヶ月前の仙水峠で見たときより15分ほど遅く、その時登った甲斐駒ケ岳の頂きより昇ってきた。愛知県からの親子も、山ガール3人娘も息せき切って登ってきたが、ともども感動のご来光に間に合うことができた。
山頂からの展望は素晴らしい。西に御嶽山、その右は乗鞍岳に穂高連峰、槍ヶ岳など北アルプス。東には八ヶ岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳、北岳など南アルプスが一望だ。そして昨日夢中で越えてきた中岳、尖った頂きの宝剣岳。更に続く中央アルプスの峰々の先に恵那山も確認できた。 |